日傘のお兄さん
「その時のお兄さんの表情を、私は忘れない。
まるで海の中で板切れにしがみつく人のように、
お兄さんは強く私の手を握り返してきた」
「これから生きていくことは、君を失うことだ。
前も言ったけどー君が、僕を忘れるのが、
僕にとって一番怖いことだ」
「あたしは、自分と遊んでくれそうな人は、顔を見ればわかるのだ。
あたしのとくっつく磁石を持ってんな、ってぴんと来る。
持ってない人は、時間を経るにつれてあたしを嫌いになる」
「日傘のお兄さん」がこのなかで一番好き。
女子的な意見に共感してしまうのもおかしいのかも
しれないけど、ひとつひとつの情景が浮かんでくるような
文章が頭から離れない。
そういう年齢は、とっくに過ぎてしまっているけど
でも、過ぎているから終わりではないわけで。
季節は巡っていくから
またそういう季節もやってくると期待して。
淡い期待だけど・・・。